一つの夢・・
それは私達の夢。日差しの暖かさ、新鮮な空気、土壌、それらを全部を混ぜ合わせて美味しい一杯のワインに変えること。
私達は人が立ち入ったことのない、ワイン造りに完璧に合った魅力的な場所を見つけだしました。
通称ノーマンズランド。
そのロドピ山脈の麓に広がる未開の大地に私達はブドウの苗木を自らの手で植えていったのです。
そして今、葡萄の樹は成長し、見事に房を実らせています。ノーマンズランドは私達の夢を叶えてくれたのです。
一人の男・・
その男は自然が好きで、土とブドウの匂いが大好きで、ビンテージ毎のチャレンジに精魂を傾けています。
自然の最良の部分を切り取って、それを素晴らしいワインに変えること以上に幸せなことはないと思っています。
その男、クリストフ・トリリンスキがノーマンズランド・カタルジーナエステイトのオーナーです。
始まりは・・
2004年も間近に迫った年の暮れに、私達の物語は尽きないアイデアとあふれるような思いをもとに始まりました。
その思いは年月が経った今でもまったく変わりはありません。ビンテージ毎にあの時と同じように新たな思いを胸に宿してチャレンジしています。
私達は信じています・・
ワインは神様からの贈り物だと言うことを。
葡萄畑は神様の仕事場なのです。私達がやることは出来る限りの愛情と細心の注意を払って葡萄畑の世話をし、慎重に一番コンディションの良い葡萄を選び、それを神秘的な妙薬に変え続けることなのです。
最良の葡萄畑から最高のワインができるかどうかは、自然だけが決められることです。
幸運なことに、ここ、カタルジーナ・エステイトでは自然は私達の味方です。
カタルジーナエステイトとはどんなところなの?というご質問にお答えしましょう。
ここは長年、ブルガリアとギリシャの国境ゾーンとして手つかずの自然が残されており、近くのメゼックにはワイン作りで名高い古代トラキア王の古墳があって、この地が神の仕事場であることを物語っています。
選ばれた地・・
そう、ノーマンズランドは神に選ばれた地としてブドウ作りに最適な気候条件が揃っています。気温は地中海の影響を強く受け、健康で良い葡萄を作るための重要な条件である寒暖の差とはっきりとした四季があります。
夏の日中は暑く乾燥していても夜は涼しく、冬はマイルドで、春と秋の陽射しはエステイトを暖かく包み込みます。
この地はブルガリアで最長の日照時間を誇っています。
丘陵地帯に広がる550haの葡萄畑は土壌の違い、標高の違い、地形の違いを最適に組み合わせそれに合致する品種が植えられています。
1ヘクタール当たり4100本の葡萄の樹の中の良質な房を、品種や完熟場所に合わせベストの時期を見計らって手摘みします。そして丘陵地帯に沿ってベルトコンベヤーによるラインを作り、徐梗後さらに細かく2回の選果を行い最良の葡萄を選びます。
カタルジーナ・エステイト建屋は丘陵地帯の斜面を利用した3層構造で、2度にわたり選果されたブドウは10℃の冷却室で24時間冷やされた後、最上階から2層目のステンレスタンクに落とされます。自然の重力を用いたプレス方法です。
その後1週間から10日間、8℃の低温浸漬をします。そしてステンレスタンクで10~15日間発酵し、27℃の高温浸漬を10~15日行います。さらに18~22日間の第2次乳酸発酵後、フレンチオーク樽やステンレスタンクで6ヶ月から24ヶ月の熟成を行います(*品種・ブランドによって手順、温度、方法は異なります)。
トップブランドはステンレスタンクではなく最初から400ℓのフレンチオーク新樽で直接低温浸漬・発酵させます。
定められた熟成期間が終わり瓶詰した後、神の雫が入ったすべてのボトルは3~6ヶ月の間、丘陵の中にあり年間を通して気温14℃、湿度75%に保たれた1層目の天然ワインセラーに静かに寝かせられます。
そして、新しい出会いのため出発するのです・・
古典的な手法と最新の設備・技術を織り交ぜながら私達はこれからも進化し、各ヴィンテージでベストをつくしていきます。
自然の美しさと荘厳さに畏怖と刺激を受け、神の創造に参加している喜びと自負を日々感じながら。
私達はたったひとつのことを目指して、すべてのエネルギーを捧げています。
新しい出会いで注がれるすべてのワインが最高のものとなるように・・それがたったひとつのことなのです。
最高のワインにはレオナルド・ダヴィンチの箴言の通り、宇宙全体が入っていると信じています。
それはそのままカタルジーナ・エステイトの理念になっています
「一杯のグラスの中に全宇宙を凝縮する 」― Trilinsky