物語を紡ぐワイン、ストーリーテラー コンテンプレーションズ

2015年ブルガリアのベストワイナリーに選ばれたカタルジーナエステイトは、ブルガリアワインを代表し、また業界を牽引するため様々なアプローチを試みています。

 

その一つがブルガリア人のアーティストやデザイナーによる斬新なデザインのラベル製作です。カタルジーナは専属のデザイナーを抱え、ワインラバーの印象に残るエチケットを作っている稀有なワイナリーです。

 

デザインにこだわる理由をニコロヴァCEOは次のように述べています。

 

「良いワインとは日々の生活を豊かに輝かせてくれるポエムのようなもの。本で言えばカバーを見るだけではその本が良いものか判断は出来ない。しかし素晴らしい表紙とクオリティの高い内容が合わさった本に出会うことほど嬉しいことはない。だからカタルジーナはユニークで高品質のワインと斬新で細部まで考え抜いた魅力的なラベルを作っているのです」

 

40種類以上のブランドを有するカタルジーナの中でも一際目立ち、毎年デザイナーやアーティストが新しいアイディアを持ち寄って練り上げるのが、熟慮を意味する「コンテンプレーションズ」です。

赤白それぞれ6種類ずつ、共通のテーマで作り上げます。

 

 

2015年のメルローとマルベックをブレンドした赤は、黒字に黄金の模様をデザインしています。

 

2016年のソーヴィニヨンブラン100%の白はカタルジーナ専属のデザイナーのデッサンを元に作られました。

 

ベネチアのサンマルコ寺院の水彩画には悲しい物語が書いてあります。

 

8世紀のカール大帝の時代、若い傭兵とその恋人がベネチアで愛し合って暮らしていました。しかし戦争が起こり兵士は戦場に行き瀕死の重傷を負ってしまうのです。亡くなる前に兵士は従者にベネチアにいる恋人に渡してくれと一輪の白いバラを託しました。ベネチアに帰った従者は遺言通り彼女にそのバラを渡しました。翌朝白いバラを胸に抱いて眠るように息を引き取った若い女性が見つかりました」

 

もちろんラベルだけが売りではありません。カタルジーナの言うように外と中味が一体となって作品は完成するのです。

 

「ワインホワット!?9月号でも日本を代表する石田博ソムリエと柳忠之ワインジャーナリストによる新商品テイスティングでカタルジーナ・コンテンプレーションズの白が好評価を受けています。

石田ソムリエは「特徴ある愛すべきワイン」にも上げています。

「クリーンでアロマティック。透明感のある味わい。適度に抑えの効いたグリーンノートがフレッシュ感を誘い、夏の暑い盛りにちょうどよい。ストレートに突き進むような印象。

果実味も充実しており、フィニッシュ感が長い」(石)

 

「カシスの芽やツゲなど、ソーヴィニヨン・ブラン特有の刺激的なフレーバーが強く感じられる。果実味と酸味はよく調和がとれ、心地の良い味わい」(柳)

コンテンプレーションズを飲みながら、そしてアーティスティックなラベルを見ながら物語の世界で遊ぶのも趣があって良いのではないでしょうか。